2012年7月。仕事をほどほどにこなしつつ、来るべき(それほど長くない)夏休みをどう過ごすかを考えていた。ちょうど250ccのバイク(YAMAHAのSEROW)を買ったところだったので、バイクでどこかへ行こうかと考えていた。どこか自然の中へ、あまり人がいかないところへ、最近山が多いから海がいいかな、、、そうだ!フェリーに乗って島へ行こう!

東京にある島、三宅島なら250ccまでなら約8000円でコンテナに積んでくれるというので東海汽船でチケットを購入!その日は仕事にバイクで行き、仕事後に竹芝ターミナルへと向かった。船は22:30発、翌5:00三宅島着予定。バイクを預け、自分は船内へ。船内放送では天候により着岸できず引き返す可能性があるとのアナウンスが流れ、心配になる(実際、海が荒れて着岸できず、折り返したり隣の御蔵島までしか行けないこともよくあるという)。

バイクはこのようにコンテナで運ばれる。この時は1台だけで貸し切り(笑)

さて、三宅島は1週約40キロのほぼ丸型の島で、信号が3つあります。3つ「だけ」というか、3つ「も」というか。

三宅島の宿泊については約30か所の民宿と1か所のキャンプ場が利用可能となっている。民宿に泊まれば、地元産のあしたばや新鮮な海鮮料理などを堪能できるらしいが、今回はミニマムな旅にしたかったので、バイクにテントを積んで、大久保浜キャンプ場に泊まる(というか住むことにした)。このキャンプ場、無料の上に、温水シャワーやBBQ場が併設されているという好条件。目の前がビーチなのでいつでも海に入ることができる。たまに通りがかる地元の人や同時期にテントを張っているマニアックな人との交流も楽しい。

三宅島のマイホーム

島での暮らしは、海に入ったり、カヤックしたり、スキンダイビングしたり、バイクでぐるぐるしたり、おいしいものをつくったり、観光したり。自由気ままな1週間。後半は三宅島で活動しているNPO法人オーシャンファミリーのイベントに混ぜていただいたり、楽しい時間だった。

三宅島の自然はダイナミックで、これが太平洋のエネルギーかと思った。波は本州の海とは比べ物にならないくら強く、透明度も高い。水中の魚の数も言うに及ばず。少し内陸に行けば溶岩がごろごろしていたり、ジャングルのような森が広がる。そんな中に漁業を中心とした営みがある。

あちこち回ったが、おススメは、新鼻新山(噴火でできた新しい山)、サタドー岬(きれいな草原にたたずむ灯台)、大路池(たいろいけ:色の変わる?カルデラ湖)、メガネ岩(ちょっと崩れそうで怖い(笑))、カフェギャラリーカノン(おいしいコーヒーを出してくれる)、ふるさとの湯(しょっぱい温泉)

シーカヤックに乗るとうねりに巻かれて大変なことになる

地元の人の話を聞いていて、三宅島の人々の中心にあるのは火山(雄山)だと感じた。ニュースにもなった2000年の雄山の噴火で4年間にわたって全島避難を余儀なくされ、いまも溶岩に埋もれた校舎の見学などができる。数十年に一度、大きな噴火があるのだが、島の中心にある雄山から流れ出る溶岩の方向が全く予想できないため、すべての家が溶岩に埋もれる可能性があるのだという。自分の代か次の代で家を失うかもしれないからそんなにお金をかけないんだと笑っていたおじいちゃんの笑顔には様々な思いがあるのだろう。避難指示が解除になっても、3割程度の住民の方は避難先から島へ帰るのをあきらめたという話を聞いた。大自然のなかでダイナミックに生きる三宅島のみなさん。ちなみに、4年間の全島避難の間に海洋環境は35年前の海に戻ったという。これも深い話。

漁船に揺られて御蔵島沖まで行き、イルカと泳いだりもした。

最近は高齢化が進んでおり、移住支援などにも力を入れているそう。日本中どこをみても突きつけられるこの現状。

本土の海に飽きたら、島。でも小笠原ほど遠くない島。三宅島はいかが?魚がおいしい、キャンプもできる、海でも遊べる、温泉もある。火山や森や、アカコッコもいる。ああ、また三宅島に行きたくなってきた。

地図

おススメテント

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